年齢に応じたスマホ・パソコンとのつきあい方

ミヒャエラ・グレックラー(監修) 村田 光範(監修) 内村 真澄(訳)

1,900円 (税別)
164ページ
A5判
2021年11月発売
ISBN : 978-4-7565-0152-3

ネットショップで購入
内容

ここ数年のうちに、子どもがスマホやタブレット端末をおもちゃ同様に持ち歩き、使用している姿が当たり前のように見られる世の中になりました。
子どものインターネット依存も大きな社会問題になっており、その数は中高生の7人に1人にあたるとも言われています。
スマホの動画などを見せて子どもを静かにさせようとする親たちがいる一方で、それでいいのかと揺れている親たちも多いのではないでしょうか。
デジタルメディアの世界で子どもが健康に育つには何が必要で大人はどう行動すべきか。
本書は保護者、保育者、教師、そして子どもと若者に寄り添うすべての人へのガイドブックです。
翻訳本ですが、日本での実情や問い合わせ先、参考図書などのデータも掲載してあります。
【まえがきから】
[一部抜粋]
小学生以降の大きくなった子どもにとっては、正常な社会性を身につけることが極めて重要です。正常な社会性を身につける際に仲間との付き合いが必要ですが、この付き合いが「人対メデイアの付き合い」を介したものになると、大きな障害が生じるのです。例えばその特性としてオンラインがもたらす脱抑制、つまり自己中心で行動に抑制力がなくなります。
小学生以降の子どもは社会生活が複雑になり、現実世界での人付き合いが多くなります。この子供たちが「人対メデイアの付き合い」に慣れてしまうと、面倒な「人対人の付き合い」を避けて、自分本意で自由気ままな「人対メディアの付き合い」を求めてオンライン世界へ逃げ込むか、現実世界の中に「人対メディアの付き合い」を持ち込んでトラブルを起こすことになります。これではその子供は正常な社会性を身につけることができず、一生を通じて楽しい生活を送ることがむつかしくなるのです。
保護者と社会はデジタルメディアが乳幼児にとっては親代わりになりうること、そしてその特性であるオンライン脱抑制効果が子供の成長に与える悪影響を充分に理解した上で、子どもが正常な愛着形成と正常な社会性を身につけるまでは、デジタルメディアを出来る限り避けなくてはなりません。具体的には子供の成長を見極めながら「デジタルメディアを与えない」、あるいは「デジタルメディアの使い方を制限する」ことです。そして、「人対人の付き合い」を介して正常な愛着形成と正常な社会性が身についた子どもはデジタルメディアを正しく使うことができるのです。これこそがこの本がいいたいことなのです。

目次

日本の皆さまへ 
子どもを「あっちこっち世界病」に追い込んではいけない
序 文
1 なぜこの本を書いたのか ? 
・子どもの発達に沿ったメディア教育
・現実の世界で子どもの体験を高める
・親として子どもにどのような助言を与えるか
2 子どもたちを電磁波から守る 
「生まれてすぐの時期」から真剣に考えなければならないこと
・携帯電話の電磁波の生物学的な作用
・予防と提案
3 乳幼児(0 ~ 3歳)
スクリーンメディアや電磁波を発するおもちゃを与えない
・幼児は健全な発達のために何を必要としているか?
・スクリーンメディアは、子どもに大人とは異なる影響を及ぼす
・幼児期における責任あるメディア教育のヒント
4 保育園・幼稚園児(4 ~ 6歳)
現実の世界での体験や運動の機会をできるだけ多くつくる
・園児は健全な発達のために何を必要としているか ?
・園児へのスクリーンメディアの影響
・園児への責任あるメディア教育のヒント
5 小学校低学年(7 ~ 9歳)
スクリーンメディアはできるだけ使わせない使う場合は大人が寄りそい制限する
・小学校低学年の成長のステップ
・心理学者・小児科医が述べる子どもの基本的な欲求
・小学校低学年における責任あるメディア教育のヒント
6 子どもから青年へ(10 ~ 16歳)
メディアを使いこなすようになるまで
・思春期の子どもたちは健全な発達のためには何が必要か?
・スクリーンメディアの影響
・健全に使いこなしていくためのヒント
・デジタルメディアは長期的な視点で見ると子どもの学びに役立つか?
・セキュリティ・ソフトウェアと技術的サポート
7 デジタルメディア使用の危険性
・ソーシャルメディア使用に伴うストレス
・過度なメディア使用と依存症の危険
・個人情報に対する軽率なアプローチ
・サイバーいじめとインターネット・ハラスメント
・青少年に不適切なサイト
8 インターネットと法律 -保護者のための情報-
・情報における自己決定の権利
・インターネット刑法及び青少年保護法
・著作権法
・売買契約とインターネットにおける法的責任
・法律上の親の義務、WhatsApp を例として
付 記
日本版:参考図書、日本版:参考資料、参考文献、出典、写真リスト
協力/ 支援団体、重要事項
あとがき