ルドルフ・シュタイナー(著) 西川 隆範(訳)

2,500円 (税別)
224ページ
A5判
2005年12月発売
ISBN : 978-4-7565-0096-0

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内容

読み物としても面白いシュタイナーの色彩論です。
色彩の本質を知ることは、魂を大きな生命力で満たし、生き生きと健康にする手だてでもあります。
人智学の観点からのシュタイナー宇宙的色彩論の決定版、全訳。
【訳者よりのメッセージ】
ニュートン光学・ゲーテ色彩論・シュタイナー色彩学へと、近年の色彩研究は発展してきました。ルドルフ・シュタイナーは独自の精神科学=人智学の構築にあたって、芸術的要素を不可欠のものとして重視した人物です。
白黒の線描画が頭に関わるのに対して、彩色画は心を開き、潤わせます(彫塑は生命を強め、音楽は魂に触れます)。自然界に現われているさまざまな色の源を、シュタイナーは心の世界( 輝く色彩の海)に探究し、魂の世界を音楽の源泉と見ました。自然界の生命、色とりどりに輝く雲海のような心の世界、天空の音の響く魂の世界が、彼の研究テーマでした。
そのように色彩の世界を重視したシュタイナーですが、彼が色彩について語った講義をまとめたものは、シュタイナー全集のなかで本書だけです。華やかな色、淡い色、渋い色など、日本の美術は比類ない奥行きを示しています。庶民も通人・粋人も天賦の色彩感覚・美的感覚に恵まれた日本では、シュタイナーのスピリチュアルな色彩論は容易に受容されることと思います。
芸術家・美術愛好家だけでなく、自然の彩りを味わう人々、生活空間における色彩の働きを知ろうとする人々に、本書で語られている内容は大きな示唆を与えるはずです。
【画家紹介】
ダニエル・モロー Daniel Moreau
1948年、フランス生まれ。バイオダイナミック農法トレーニングを受け仏独の農場で働く。その後心理治療法病院でアートセラピストとして活動。障害児のための教師としての体験も積む。1982年、ギャラリーと書店をオープンし、アーティストとしての活動を開始する。色と形の研究のかたわら、絵画コースの教授をヨーロッパ各地、オーストラリア、ニュージーランド各地で務める。
現在日本在中。全国各地でワークショップを展開。著書に『光が形態を創造する』(イザラ書房)等。

目次

第1部 色彩の本質
色彩体験-四つの像の色
色彩の像と輝きの本質
色彩と物質-色から描く
第2部 色彩の秘密
色彩世界と音響世界の体験
光と闇
光のなかの生命と重さのなかの生命
色彩と健康
空間遠近法から色彩遠近法へ
絵画における精神的なものと精神的でないもの
重さのない色彩
第3部 補遺
色彩の創造的世界
霊的存在と虹
注解
あとがき
著者 訳者 画家 紹介